はじめてのモーニング娘。
序章 モーニング娘。理解の必要性
「LOVEマシーン」で大ブレイクし、今や国民的アイドルになったモーニング娘。をもはや知らない人はいないであろう。しかしあなたはどれだけモーニング娘。について正しい理解をしているだろうか?
「モーニング娘。?ああ知ってる知ってる、何人組だか全然分からないけど。知ってるメンバー?・・・うーん、安倍何とかさんぐらいかな、何を歌ってるかは全然分からないけどねぇ。」(42歳・銀行員)
こんなんじゃOLに馬鹿にされることはおろか、会社の上司にも「不勉強も極まりないな」と罵られ、部下には「あの人は無知だから一緒に仕事したくないですね」と部下に鼻で笑われ、友人には「中身のない奴」との誹(そし)りを受け、家庭でもモーニング娘。の話題についていけず、孤立してしまうこと必至である。
そうならないためにも正確にモーニング娘。を理解すべきである。このコラムではモーニング娘。について深く理解をし、最終的に国際社会で通用するレベルになっていただきたい。どんな場面でもモーニング娘。を通じてコミュニケーションを取れる、いわゆる「モーオタ」になれたらすばらしいことではないだろうか。
1章 モーニング娘。メンバー紹介
モーニング娘。は、テレビ東京のオーディション番組「ASAYAN」のロックボーカリストオーディションで敗北した5人で結成された。メンバーはダメ超人といわれながらもキン肉バスターなどを操り、潜在能力を秘めた安倍肉なつみ、イギリスの正義超人でタワーブリッジの使い手である飯田圭織マスク、毒霧をひたすら吐き父の復讐を企てるドイツの超人中澤裕子Jr、キャメルクラッチを得意とする中国人ラーメン(モンゴルでも可)石黒彩、アメリカ・テキサスからやってきた正義超人福田・テリー・明日香である。
1度目の超人オリンピックでは安倍肉なつみが優勝。彼女たちは超人オリンピックで戦うことで、互いの絆を強めていった。そんな中、地球から追い出されていた残虐超人達が地球に戻り、チャンピオンの安倍肉なつみに挑戦状をたたきつける。この戦いで負傷した安倍肉なつみに代わり、相撲を得意とする地味な正義超人ウルフ保田圭、「セクシービーム!」と叫ぶアパッチの雄叫びを武器とするジェロニモ矢口真里が加勢。ハリケーンミキサーで福田・テリーを葬った残虐超人バッファロー市井沙耶香も後にモーニング娘。に加入。
「んとね、カオリ、ロボット作りたかったの」との理由で飯田佳織マスクが秘密裏に作成した冷酷な超人、ウォーズ後藤真希。彼女はその冷酷さからか、メンバーであるラーメン石黒彩をベアークローで殺害する。後にルナシーノデブ博士により息を吹き返したものの、モーニング娘。からは足を洗い、博士と結婚する。安倍肉なつみらにより友情を知った、ウォーズ後藤真希は後にモーニング娘。に加入する。
順調だったモーニング娘。に4人の悪魔超人が立ちはだかった。3つの顔を持つ女、アシュラ辻希美、自由自在に巨体を変えるサンシャイン吉澤ひとみ、灼熱地獄を自在に操るザ・石川梨華ニンジャ、そしてワニ地獄で安倍肉なつみを苦しめる加護亜依ゲータの4人。4人はモーニング娘。にはいることを望み、その願いが叶う。
バッファロー市井沙耶香は「もっと強くなる、そのときは貴様らがライバルになるであろう」と遺し、武者修行の旅に出た。
2000年10月現在、安倍、飯田、中澤、保田、矢口、後藤、辻、吉澤、石川、加護の10人がモーニング娘。のメンバーである。
モーニング娘。とは別に、飯田・矢口・石川・加護らは最強超人チーム「タンポポ」を結成、保田・後藤・吉澤らは打倒モーニング娘。を企む秘密集団「プッチモニ」を結成した。
2章 モーニング娘。曲紹介
久しぶりに行きつけのバーに寄る。
マスターは俺の顔を見るなりジントニックを作り出した。
マスターが作ったジントニックに口を付けてカウンター席に目をやる。かつて同じ会社に勤めていたシンジが頭を抱えている。少し躊躇しつつ俺はシンジに声を掛けた。
「どうした、元気ないな。」
シンジは久しぶりに現れた俺にも驚く素振りを見せず、淡々と心境を語った。
「どうもこうもないよ、彼女が妊娠しちゃったんだよ。」
「おめでとう!『愛の種』混入ってわけだな。」
「おめでとうじゃないよ、俺にとっては遊びだったんだから。何にも知らずあいつの部屋で『モーニングコーヒー』飲んでた自分が情けないよ。」
自業自得だな、という言葉を飲み込みシンジを慰めることにした。シンジを慰めることで不甲斐ない境遇である俺自身に対しても慰めることにした。
「まあ仕方ないよ。ところでどこで知り合ったんだ?」
「『サマーナイトタウン』。」
「お前から声を掛けたんだろ。」
「まさか。あっちの方から『抱いて Hold on me!』って言ってきたから抱いただけの話だよ。」
「そのときは結構いい女だと思ったんだろ?」
「まあな。でも今となってはいい『Memory 青春の光』だよ。あの夏が恨めしいよ。」
「夏は恋の季節っていうからなあ。『真夏の光線』が出てたんだろう。」
「ああ、でも親が何というか・・・」
シンジにも転機が訪れたような気がした。気がした、というよりも確信がある。確かシンジの実家は岩手だったな。
「『ふるさと』に帰るのか?」
「そう思ってる。もう『Love マシーン』になってる歳でもないしな。これが潮時だったんだろう。」
しばらく昔話に花を咲かせた。前の会社のこと、一緒に飲みに行ったこと、会社の街並みのこと、他愛もない言葉を交わしていた。
マスターはもう一杯ジントニックを俺に差し出してくれた。
「思い出すな。俺達がクラブで『恋のダンスサイト』していた頃が。」
「ああ」
「お前の『ハッピーサマーウェディング』には出席させてもらうよ。」
「いずれお前にも手紙を出すよ。」
「幸せな家庭を作ってくれよ!」
「『I wish』」
力無くシンジは答える。I wishか・・・
俺達は酒場を出た。もう俺達も若くはない。セーターに北風が染みた。
最終章 あとがき
第2章のような会話がスムーズに出来ればあなたも立派なモーオタです。モーオタ同士でお揃いのTシャツを着てハロープロジェクト(コンサート)に行けば周囲の羨望はあなたに注がれるでしょう。
健闘を祈ります。